お知らせ 令和5年度学位記授与式レポート

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学校情報
看護学部の卒業生の皆様
大学院の修了生の皆様

令和6年3月7日(木)亀田医療大学学生会館4階ミズキホールにて、看護学部看護学科72名、大学院看護学研究科9名の学位記授与式が執り行われました。
今年度はご来賓・保護者の皆様にご来場いただき挙行され、学位記授与・表彰が行われました。
式終了後には4年間お世話になった先生方へ卒業生から花束等の贈呈がありました。当日の様子をお伝えいたします。

学位記授与

学部生の学位記授与
大学院生の学位記授与

学長告辞

 亀田医療大学看護学部看護学科9期生72名の皆さん 卒業おめでとうございます。この中には、本学では初めてとなる保健師養成課程9名が含まれています。そして修士課程大学院4期生9名の皆さん修了誠におめでとうございます。 
 学部卒業生のほとんどの方は2020年4月の入学で、この時はまさに千葉県を含む7都府県に新型コロナウィルス感染症の緊急事態宣言が出された時でした。皆さん方の4年間は決して満足のできる学生生活ではなかったかも知れませんが、本日、4年振りに保護者並びに来賓の方々をこの学位授与式にお呼びできたことを、教職員を代表して大変嬉しく思っております。
 ところで、皆さんはアメリカ大リーグロサンゼルスドジャースの大谷翔平選手のことは、野球に興味にない方でもご存知だと思いますが、大谷選手の出身校である岩手県の花巻東高校の後輩で 今年卒業する佐々木 麟太郎という若者がいます。彼自身も高校球児で、しかもホームラン数で高校記録を大幅に塗り替えたという大変な逸材ですが、卒業後はプロ野球ではなく大学進学を希望し、何とアメリカのスタンフォード大学を受験し見事 合格を果たしました。スタンフォード大学と言えばアメリカでは東のハーバード、西のスタンフォードと言われるくらいの超名門難関大学です。もちろん日本の大学にある単純なスポーツ推薦などなく、入学後の英語での勉学や進級は非常にきびしいものがあります。日本人が入学できただけでも大変すばらしいことですが、彼はインタビューの中で、進学先を決めるときには日本地図ではなく、何と世界地図を見て進学先を選んだそうです。その話を聞いて、益々感心し、日本の若者として大変頼もしく思いました。皆さん方も卒業後は、年下ではありますが、ぜひ彼を見習って、視野を大きく持って いずれは様々な可能性に挑戦してください。
 しかし一人前の看護師としての成長には、卒後の数年間はきわめて大切な期間です。実際の医療現場や救急医療では、いくら知識や検索能力があっても、技術や手技が伴わないと役に立ちません。技術は経験に伴い徐々に身についてきます。一朝一夕にはいきませんが、決してあせらずに、まずは 地道に真の実力を身につけ数年後には患者さんから信頼され慕われるすばらしい看護師・保健師に成長するように努力してください。
 私は昨年、国際看護学の協定締結のために、ドイツのジュッセルドルフにあるフリートナー応用科学大学に行ってまいりました。なぜこの大学かといいますと、この大学の前身は1836年に世界初の看護師養成教育が始まった看護学校で、皆さんがよく知っている、かの近代看護学教育の母とされるフローレンス・ナイチンゲールが、クリミア戦争に従軍看護師として赴く前の1850年から51年にかけて実際に看護教育を受けた施設です。大学構内には、その時代の歴史的建造物も残っており、今も使われています。つい我々は高度医療や先進医療、デジタル技術に目が行ってしまいますが、そこでは医療の原点である救済活動としての看護・介護の精神が脈々と受け継がれていることを実感しました。皆さんは患者さんとの実際のふれあい・スキンシップや誠実さも決して忘れないようにしてください。
 お待たせいたしました。大学院修士課程の皆様、修士の学位取得、誠におめでとうございます。特に社会人大学院生の方々は研究活動・論文作成と 職場との両立は大変だったと思いますが、よく頑張っていただけたと思います。これからの臨床現場でのさらなるリーダーシップの発揮を期待しています。この後、大学院研究科長の田中副学長からの祝辞もあると思いますが、これからもこの大学院で培ったリサーチマインド、研究手法を忘れずに常にクリニカルクェスチョンを持ち看護研究活動を継続し、志ある方は、博士課程への進学も目指していただきたいと思います。
 なお最後になりますが、私自身2016年来 3期 8年間本学学長職を務めてまいりましたが、来年度より田中副学長が学長となりますので、この場を借りてお知らせさせていただきます。ひき続き本学をよろしくお願いいたします
以上、学長告辞並びにご挨拶と致します。

令和6年3月7日
亀田医療大学学長  橋本 裕二

研究科長祝辞

 看護学部卒業生の皆様、ご卒業おめでとうございます。看護学研究科修了生の皆様、ご修了おめでとうございます。研究科長の立場から、一言お祝いを申し上げます。
 今年はコロナ5類移行に伴い、保護者の方々、ご来賓の方々に久しぶりにご参列いただき、学位授与式を挙行することができ、教職員一同、大変喜ばしく思っております。ご多忙の中、ご参列いただき誠にありがとうございます。
 さて、本学大学院看護学研究科修士課程は、2019年4月に開設し、今年度は4期生として9名の修了生を、無事輩出する運びとなりました。そして、今年度をもちまして、修士課程開設以来、31名の修了生を輩出することとなりました。
ほとんどの方が仕事を持ち、2年から3年をかけて、大変な努力の結果、今日の修了の日を迎えられました。1年次の共通科目の学修に始まり、2年次から3年次にかけては、専門科目の学修や、研究計画書の作成に研究の実施、そして助産師コース、高度実践看護師コースの方は実習と、大変ながんばりでこの期間を乗り切ったことと思います。そうした皆様のご努力に対し、心より敬意を表するものです。また、ご指導くださった先生方、学生生活をご支援くださった事務部門の方々、研究や実習フィールドでご助力くださった地域の関係者各位に、心より感謝申し上げます。
 入学当初は、研究計画発表会や学位論文発表会に参加して、果たして自分にもこのようなことができるのだろうかと不安に思ったことと思います。しかし、皆様方は着実にそれを成し遂げました。おそらく大学院で学ばなければこれほど勉強することはなかったであろうと思うほど、多くの時間を勉学に注がれたことと思います。この勉学に使った時間は皆様方の人生の中でも大変貴重な時間です。おそらく皆様方は全員、入学当時の自分を振り返ってみて、現在の自分が確実に成長したと実感できることと思います。それは専門家としての基盤となる基礎的知識や教養の部分でも、また専門的知識や技術の面でも、また研究を通して培われたリサーチマインドの面でも、そして最終的には何よりも、人間として一回り大きくなったと実感されているのではと思います。または今実感できなくても、何年後か必ずそれを実感できるときが来るものと確信しています。
 さて、本学では、これまで修士課程では、教育・研究能力を備えた看護実践者の育成を目指して教育を行ってきました。現在、この修士課程の土台の上に、博士課程を開設すべく準備しております。この場をお借りして若干紹介させていただきたく存じます。今回開設を予定している博士課程は、これまでの修士課程の土台の上にさらに高度な教育・研究能力を持ち、現場を変革することのできる看護管理者を含む高度看護実践者を育成することを目的としています。この3月に文部科学省に申請し、順調であれば令和7年4月の開設を目指しています。
現在、千葉県には、看護系大学が19ありますが、そのうち、修士課程を開設しているのは6校、県南には2校のみであり、本学はそのうちの1つになります。さらに博士課程に目をやれば、千葉県では千葉大学と順天堂大学の2校にあるのみであり、県南には1校もありません。もし本学の博士課程が認可されれば、県南で唯一の看護系博士課程となり、これまで地理的条件から博士号の取得に困難を感じていた多くの方々に、門戸が開かれるものと思います。
 また本学が計画している博士課程は、実践看護学博士コース、すなわち、英語ではDoctor of Nursing Practiceコース、略してDNPコースと言いますが、米国を中心に先進諸外国では広く普及している高度な研究的能力を有した実践家を育成するコースです。このDNPコースは、現在日本では、3校のみが開設しており、本学が開設することができれば、本学はその第4番目になります。
 院を修了される皆様も、ぜひ今後、博士進学も視野に入れ、ご自分のキャリアをより豊かに構築していっていただけたらと思います。
私自身、これまでのキャリアを振り返っても、修士で学んだことが、私のキャリアの中の大きな転換点になったように思っています。専門家としての知識の土台を作り、自分の生涯追いかける研究テーマをみつけ、研究する方法を学びました。博士で学ぶことは、それをさらに確実にしてくれるものであったように思います。
皆様方はこれから、様々な現場に戻って活躍されることと思いますが、ぜひ修士課程で学んだこと、研究で明らかにされたことを現場に活かし、さらに新たなリサーチクエスチョンを見出していっていただきたいと思います。また学部卒業生の皆様も、今はまだ遠くのことに思われるかもしれませんが、時間というものはあっという間に去ってしまいます。ぜひ博士課程も見据えて、今後のキャリアをデザインしていっていただければと思っております。
皆様方のご多幸と、今後の益々のご活躍を心より祈念し、お祝いの言葉に代えさせていただきます。

令和6年3月7日
亀田医療大学大学院看護学研究科長 田中美惠子

来賓祝辞

鴨川市市長 長谷川孝夫様からの祝辞
医療法人鉄蕉会理事長 亀田隆明様からの祝辞

記念品贈呈

卒業生謝辞

 冬の寒さも次第に和らぎ、優しい春の日差しが差し込み始めた今日の良き日、橋本学長ならびに諸先生方のご臨席を賜り、このような盛大な学位授与式を執り行っていただきましたことを、卒業生一同、心より感謝申し上げます。また、激励の言葉を賜りましたこと、重ねて御礼申し上げます。
 振り返れば、今日に至るまでの四年間は、私たちにとって有意義で貴重な時間であり、瞬く間に過ぎたように感じます。四年前、私たちは目指す将来像への一歩を踏み出し、期待と不安を胸に亀田医療大学に入学しました。しかし、私たちの入学時には、新型コロナウイルス感染症の急激な流行により、入学式の中止、そして、入学後には緊急事態宣言に伴う休講、臨地実習の短縮など新型コロナウイルスによる影響が多方面にわたりました。看護を学ぶことへの期待を大きく抱きながらも、「大学へ行って授業を受ける」、「演習室で技術演習をする」といった看護学生として当たり前のことが当たり前ではない状況によって、もどかしさや焦りを感じ過ごす日々の中で、自分たちの目指す看護師になれるのかと不安を感じることもありました。しかし、そのような状況の中でも、先生方や職員の方々、医療現場が逼迫する中でご協力頂いた病院職員の皆さまなど、多くの方に支えられ、学習環境を整えてくださりました。恵まれた環境の中、新しい知識や技術が身につくことで、看護を学ぶ楽しさを実感することができました。
 また、臨地実習での学びや体験は、学生一人一人の心の中に強く、深く思い出に残っていることと思います。不安や緊張を抱きながら、どのような患者さんに出会えるのだろうという楽しみも持ちながら実習に臨みました。実習が始まると、実習メンバーと情報共有し、患者さんのニーズや個別性を大切にしていくためにはどうするのが良いか、意見を交わし、試行錯誤の日々が続きました。時には、苦しみ強く不安を感じている患者さんを目の前にし、思い描く看護を実践することの難しさや自分の知識、技術や精神面の未熟さを痛感し、思い悩むことも多くありました。そんな時、仲間からの支えや先生方の熱意あるご指導が、私たちを奮い立たせ、前を向いて歩む原動力となりました。そして、何よりも患者さんから「ありがとう。あなたがいてくれてよかった。」と、手を握って暖かい言葉を頂いたとき、常に緊張と不安で張りつめていた心に、一筋の光が差し込み、喜びに包まれた瞬間に出会ったことは忘れません。そばに寄り添い、心を支えていくことも看護として大切なことだと学び、人の命に携わっていくことへの責任の重さを常に心に留め、この思いを忘れず、今後も研鑽して参ります。
実習、就職活動、卒業研究、国家試験など目の前の出来事に必死だったこの四年間の学生生活に、立ち止まりそうになった時には先生方や家族から支えてもらい、友人たちと励ましあいながら乗り越え、まだまだ未熟な私たちですが、本日無事に卒業の日を迎えることができました。
私たちは卒業後、看護師として臨床で働くもの、進学するものなどそれぞれの場で新しい道を歩み始めます。看護とは、愛と想いやりをもち、常に多方面から最善を考え、患者さんと向き合っていくことの大切さを本学で学びました。そして、感染症が流行した中で、現状に満足するのではなく、広い視野をもち、常に考え行動できる力は、この時期に学んだ私たちの強みであると考えます。次は、私たち一人ひとりが医療チームの一員となりより良い看護を探求する専門職者として、卒業生一同今後も一層精進してまいります。
 改めまして、私たちを支えてくださった諸先生方、職員の方々、家族、お世話になった皆さまのおかげで、私たちは、本日亀田医療大学の卒業生として大きな一歩を踏み出すことができました。卒業生一同、心より御礼申し上げます。最後になりましたが、皆さまの一層のご活躍と亀田医療大学のさらなるご発展をお祈り申し上げ、謝辞とさせていただきます。

令和6年3月7日
亀田医療大学看護学部看護学科 卒業生代表 伊藤真白

花束贈呈

お世話になった先生方へ花束の贈呈の様子1
お世話になった先生方へ花束の贈呈の様子2

お祝い